2005年4月28日23:50
漫画家・山本直樹の批評について、以前僕が2ちゃんに書いたのは青くって非難されまくったんだけど、ここに転載しとく。
この人のマンガって森山名義のものから現在に至るまで全部に共通しているんだけど、クールに描かれる軽妙でなギャグとか、マンガそのものの読ませ方の上手さとか
ある種の神業的なテクニックは本当に凄いなぁって思って、それで読み始めると止まらなくなっちゃうっていうのがあると思うんだけど、
やっぱ内容が無い&弱いし、根底から突き詰めていくと凄いありきたりに見えちゃうハッタリなものだってのが見えちゃうんだよね。
他に特徴としては、普通の人なら誰でも一度は思いつく様な、だけど敢えてやらなかったっていう題材を何の迷いもなしにやってしまう危うさみたいな部分もあって、
それはそれで凄いんだけど、やっぱりこの人って長期で絶対描かない人だから、テーマを描くにしても、結局は最後何とかして上手くはぐらかして逃げてるっていう印象しかない。
小手先のテクニックは凄いと思うけど、作家性がそれに全然追いついていない感じ。
で、これはこれでただ記録として残そうと思っただけなんだけど、後の人がとても的確に山本直樹についてまとめてくれていて、
これは的を射ているなぁ!って感じの素晴らしい批評だったので、これも転載。
ビリーバーズを随分前に読んで、最近安住の地を立ち読みするに、
最近の山本直樹にきちんとした構成のストーリーを求めるのはちょっと無理な気がする。
フラグメンツ以降はなんとも言えない幻想的トリップものにはまっちゃってる感じだしね。
幻想的といえば聞こえはいいが、ようは夢オチ的複線を各所に散りばめるわけで、
最後はいかようにも持っていける分、ルールの縛りがあまくなり、その分カタルシスを生み出すには弱くなるところがあると。
一回こういうところに入ってから、またありがとうや僕らはみたいな一応一貫性のあるストーリーに戻るのはきついかも知らん。
でも、基本的にエロければ全てが許されるので別にいいや。エロって素晴らしい。
と、いう訳で僕としても意見は合致している。暫く山本直樹にハマリ過ぎていた感があるので、ここである程度消化しておかないとなぁ、って気があったから載せとく。
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